プラクティス

藝術耕作所 キックオフミーティング

これまでのプログラムから得た気づきを基に、墨東エリアの中で具体的なアクションへつなげていくプログラム「プラクティス」。昨年2019年2月に行ったラーニング・ラボ #01「ものづくりから生まれる共同体」のゲスト佐藤研吾さんと、フロアゲストとしてお呼びしたたもんじ交流農園の出会いをきっかけに実施する「藝術耕作所」は、農業、染色、DIYなどの体験から技術を習得し、そこから身近な文化に興味を持ってもらう機会を提供するワークショップの開催や、それに向けた情報交換や交流会を2020年2月頃にかけて開催していくプログラムです。
その第1回目の場としてキックオフミーティングが10月5日に開催されました。「藝術耕作所」の概要説明および、農業や工芸といった生活の中で営まれる共同作業を通じた創造力のあり方についての話し合いは、新たな出会いやプログラムのこれからを期待させる内容となりました。

(会場となったsheepstudioの2階)

キックオフミーティングはファンファンのディレクターの青木彬からの概要説明と、佐藤研吾さん、牛久光次さんからそれぞれの活動紹介と、「藝術耕作所」に期待し実施していきたいアイデアの交換から始まりました。これまでも様々な人々の交流を促す活動に取り組んできた両者は、去る8月25日に顔合わせとなる交流会を行なっていました。交流会では、大玉村と玉ノ井という土地名に関するつながり、大玉村に縁のある方がたもんじ交流農園のメンバーにいること、「玉」や「井」という漢字が地名にあることに関する歴史的な共通点、たもんじ交流農園近くにある道を辿っていくと大玉村につながっていることなどで盛り上がり、今回のキックオフミーティングへとつながる機会となりました。

(交流会の様子1:たもんじ交流農園メンバーの高木先生から玉ノ井と大玉村の共通点についての紹介)
(交流会の様子2:ウッドデッキで青空交流会)

その交流会でのエピソードなども話しつつ、それぞれの活動紹介の後、「藝術耕作所」として今後考えていきたい「染色や農業、その他(木工など)の営みについて」といったテーマに関する話題や、今後どんなワークショップが展開できそうかについて、活発な意見が交わされました。例えば、藍染を中心とした染色について、藍の栽培を取り巻く話題。ここでは両者の「農業」という営みについての捉え方の違いが際立ちました。農業という営みを、商売として考えるのか、プロジェクトとして考えるのか。この違いは議論後半の「農業と都市生活との距離のあり方」にまで発展しました。佐藤さんが拠点とされている大玉村が抱える移住人口増/休耕田増加/大規模農業の台頭といった問題にも直結するこの話題は今後も議論がなされるはずです。

(公開ミーティングとあって、会場から様々な意見も飛び出しました。)

また、佐藤さんから、この「藝術耕作所」の記録をするツールとして、ご自身の作品の1つである木製のピンホールカメラの提案もありました。一人で撮ることができなかったり、自然の時間に任せることが必要なピンホールカメラは、「藝術耕作所」のテーマとも通じますし、様々な時間軸の「藝術耕作所」をアーカイブする方法として面白くなりそうです。たもんじ交流農園のメンバーも興味津々でした。人間のいない時間帯の農園に、どんな来訪者が見られるのか気になっていたそうです。

議論に参加したのは佐藤さんや牛久さん、たもんじ交流農園のメンバーだけでなく、近隣の鉄工場の工場長さんや鐘ヶ淵に新たなスペースを準備している若者も積極的に参加。鉄工場の工場長さんとはプレス機を使った染色のアイデアも盛り上がりました。

(GoogleMapでたもんじ交流農園に必要な旗の場所をイメージ)

さて、藍染を用いて旗(のようなもの)に使える布を制作することは決まりました。ただ、藍を染めるの場所は大玉村か墨田区か、デザインはどうするか、ガムテープ染め/ろうけつ染めなど手法はどうするか、など様々な課題が残ります。2時間を超えるミーティングは10月31日の次回会議に引き継がれました。

「藝術耕作所」では今回のようなオープンな会議の他に、より具体的に興味を持って積極的に関わるメンバーによるクローズドな会議を重ねます。様々な方が継続して参加していただける会議になりそうです。

text by ヨネザワエリカ

イベント情報

藝術耕作所 キックオフミーティング
2019年10月5日(土)14:00〜16:00

登壇者

佐藤研吾(建築家)
牛久光次(NPO法人 寺島・玉ノ井まちづくり協議会(たもんじ交流農園))
青木彬(ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―ディレクター)