【ファンファン倶楽部第4期】シーズン1- ②「続・ファンファンする準備運動」
ファンファン倶楽部
「安心して”もやもや”しよう」を合言葉に、「ファンタジア!ファンタジア!ー生き方がかたちになったまち」(以下、ファンファン)のコンセプトを共有するコミュニティづくりを目指す企画『ファンファン倶楽部』。
第4期となる今回は、活動期間を3つのシーズンにわけ、徐々に「もやもやを安全に扱う技術」を探っていきます。各シーズンの初回に「もやもやを安全に扱う技術」のヒントを持つ方を、ゲスト(通称「ファンファン先輩」)としてお招きし、「ファンファン先輩」とのワークやディスカッションを受けて、その後の活動で部員それぞれが自分なりの「もやもやを安全に扱う技術」について考えていきます。
今回は8月7日の活動レポートをお届けします!
この日は前回おこなったmi-ri meterさんからのワークを引き続き実践します。
WORK03「あなたの定点を掃除しなさい。」
mi-ri meterさんからは前回の終わりに、封筒を受け取っていました。まず、その封筒をみんなで開封します。WORK03のお題は「あなたの定点を掃除しなさい。周りのゴミを拾ったり、どこかで雑巾を濡らし、拭き掃除をしなさい。…」
すこし緊張した表情を浮かべながら、部員たちは雑巾を片手に、前回のWORKで決めた自分の「定点」へ向かいました。
30分後、拠点に戻ってきた部員たちはLINEグループで写真を共有し、写真を眺めながら感想を話しました。
ベンチを定点にした部員は、ベンチのまわりに落ちていたタバコの吸い殻を拾ったり、ベンチを雑巾で拭きました。吸い殻を拾っていたら通りがかった方に「ありがとう」と声をかけられたそうです。
高架下を定点にした部員は、設置されていた鉄の棒を拭き掃除しました。見た印象はあまり汚れていないかなと思いつつ、拭くとかなり土がついていたとわかり驚いたそうです。蛍光イエローの長靴は元々ここに置かれていたもの。
一方で花壇が目を惹く民家の周辺を定点にした部員は、民家周辺にごみや落ち葉が全くなく、掃除をする必要がなかったそうです。
WORK04「普段使っているものを定点にそっと置きなさい。」
次のお題は、「普段使っているものを定点にそっと置きなさい。…ものを置いたまま、遠くから5分観察しなさい。それから5分、目を離して別の場所へ行きなさい。」
部員たちは普段使っているものを持って、まちへ繰り出します。
ベンチを定点にした部員は、試験勉強を共に乗り越えてきた相棒の「赤ペン」を置きました。遠くから観察したり、その場を離れている間は、ベンチに座った人がいたらどうするのだろう、なくなったらどうしようと不安な気持ちになったそうです。離れて戻ると、赤ペンは無事、置いたときの状態のままベンチに置かれていました。
別のベンチを定点にした部員は、普段机に飾っている「貝がら」を定点に置きました。以前ダイビングをした際に拾ったものだそうです。座っている人をあまり見かけないベンチなので、離れている間も貝がなくなっている不安はあまりなかったそうです。貝は無事、元の状態のまま置いてありました。
・「まちを歩いて、こんなところがある!と気づけた喜びがありました。」
・「定点を知らないまちでつくるのが面白かった。」
・「アートプロジェクトやまちづくりなど、路上での実践に興味があります。『URBANING_U』をやって、自分が路上でひとりで実践する機会はなかなかないのでドキドキしました。もっと路上を自分のものにしていくような実践をしてみたいです。
など、『URBANING_U』を実践した感想も話しました。
部員たちはまちなかでのワークを通じて、まちに慣れ親しんだり、心と身体をほぐしたり、自分の気持ちを言語化することに徐々に慣れてきた様子。こうしてこの日のファンファン倶楽部は終了しました。
ただきく・話すための時間
そして、この日の午後は、「WANDERINGの時間」をやってみました。
「ふらふら歩く」や「話が逸れる」という意味を持つ『WANDERING』は、墨東エリアの細くまがりくねった道を散歩するように、その人の過去から現在、未来について対話を進めるヒアリングプログラムです。墨田区の白地図の上に対話の軌跡を落としこみながら対話をしていくと、本人も気付かなかった発見に出くわします。これまで、すみだのまちで活動している方々と『WANDERING』の対話を通して、ファンファンのサブタイトルにもある「生き方がかたちになったまち」を見つけてきました。
『ファンファン倶楽部』では、なにかを決めたり話し合ったりするためではなく、ただ話したり聞いたり、その人について知る時間が大切と考え、部員たちの興味関心を紐解くために、『ファンファン倶楽部』の時間とは別に「WANDERINGの時間」をもうけることにしました。
この日は参加者のお二人にフォーカスをあて、お話を伺いました。なにかを話し合ったり、決めるでもなく、人の話を聞くための時間は、話し手にとっては自分の考えを振り返り、聞き手にとっては話し手のことをより知ったり、新たな気づきや刺激を得られる時間のように感じました。
次回はシーズン1最終回。部員それぞれがシーズン1と7,8月を振り返ります。
執筆:宮﨑有里(ファンファン事務局)