藝術耕作所 レポート第四弾「藍染、そして完成!」
プラクティス
これまでのプログラムから得た気づきを元に、墨東エリアの中で具体的なアクションへつなげていくプログラム「プラクティス」。その中の「藝術耕作所」は、建築家の佐藤研吾さんや、地域の「たもんじ交流農園」と共に、農業、染色、DIYなどの体験から技術を通して協働を考えていきます。
墨田でも染めの作業を
この日は、先日の大玉村ツアーで藍染しきれなかった布をたもんじ交流農園で染め上げる作業を行いました。前回のレポートにあるような藍甕はないため、同じ染め方はできません。そこで薬品と藍を併用したハイドロ染め、藍染以外も試そうということで柿渋染め、この2種類の染めを行うことになりました。
作業当日は晴れ。少し風が強いのが気になりますが、布を干すには絶好の天気です。たもんじ交流農園には藝術耕作所のメンバーだけでなく農園のメンバーも集まり中々の賑わいに。まず大玉村から持ち帰った藍の乾燥葉を枝から取り落とすことから初めます。慣れてくると大量の葉も一気に削ぎ落とすことができるのですが、時々紛れているカメムシに悲鳴を上げるメンバー。地道な作業が続きます。
次に削ぎ落とした葉をネット(洗濯ネットのようなもの)に入れてお湯に浸します。風よけのついた本格的なカセットコンロと普段は目にすることが無いほど大きなボウルで温められたお湯へ投入される葉。落し蓋ならぬ落とし鍋をしてしばらくすると色が染みだしてきました。ここのハイドロ染め用の薬品を混ぜて染液の完成です。
今か今かと待っていたメンバーにより、たもんじ交流農園のメンバーが持ち寄った手ぬぐいや端切れ、メンバーが持ち寄ったトートバッグやシャツが次々に投下されていきました。大玉村での藍染は染液に浸した後は洗い流し、再び藍甕に入れる工程を何回も行いました。が、ハイドロ染めは1度浸せばOK。染液から持ち上げてすぐ黄色から藍色に変化する布にその場にいる全員が声をあげます。
藝術耕作所メンバー有志が準備してくださったお昼ごはんを食べながら、干した布が乾くのを待ちます。青空の下で食べるおでんは格別でした。そうそう、藍染をしながら柿渋染も試していました。酸化して染まる藍染と異なり、日光によって染まる柿渋染。藍染と併用もしながら、染まり方や色合いの違いを楽しみました。
さて、乾いたでしょうか。
藝術耕作所のメンバーが楽しみにしているのは染めの色の美しさだけではありません。ガムテープで書いた文字がちゃんと読めるかどうか。勢いよくガムテープをはがしてみると、ご覧の通り、ちゃんと読めるじゃないですか。その場のテンションは最高潮。翌週29日の仕上げが楽しみになりました。
最後に素敵な刺繍を
そして迎えた最後の作業日。染め上がった布の最後の仕上げをしていきます。
まずは紙にどんな風にしたいかを考えて絵を描きます。
そして、ひたすら糸と針で縫い縫い、、、。
みなさん、暖簾などになる布の文字を読みやすくしたり、装飾したり。集中して刺繍をしました。
黙々と進めつつ、時々見せ合うと、それぞれやり方が違って面白く、「それいいね!」と参考にしあうことも。これまでにやってきた他の作業ともまた少し違う楽しい時間でした。
そして気づけば作業終了の時間。どんな風になったか発表です。
これで藝術耕作所としての全てのプログラムが終了となりました。
何度も顔を合わせて話し合いながら、まず手を動かしてその場にいる人とともに考えることを大切にしてきた藝術耕作所。はじめの頃に比べると、最終日にはその感覚が体に馴染んできたように思いました。
この日まで作ってきたものの完成品は、それぞれのイベントなどで実際に使う日にお披露目になります。今後これらがどんな風に使われていくのか、とても楽しみです。
ファンファンのFacebookページでも随時お知らせしていきますので、ぜひチェックしてください!
text by ヨネザワエリカ、遠藤純一郎
イベント概要
藝術耕作所ミーティング
たもんじ交流農園での藍染作業
日時:2020年2月23日(日) 10:00-14:00
会場:たもんじ交流農園
縫う作業
日時:2020年2月29日(土)13:00-16:00